November 20, 2003

夢か博打か?

東証マザーズに上場している、株式会社ジャパン・デジタル・コンテンツ(JDC)が個人投資家向けに新人グラビアアイドルを投資対象にした新型の金融商品を売り出すという。

以下、2つの記事。

まず、本家ジャパン・デジタル・コンテンツのサイトより:

日本初、個人投資家向けグラビアアイドル証券化について

株式会社ジャパン・デジタル・コンテンツ(以下JDC、本社:東京都港区、代表取締役:土井宏文)は、2003年12月15日(予定)よりオンライン証券会社のジェット証券株式会社(本社:東京都千代田区、社長:釜野真宏)と共同で、新人グラビアアイドルを証券化した新金融商品「新人グラビア☆アイドルファンド」を組成し、個人投資家を対象に出資受付を開始いたします。

本ファンドの仕組みは、まず個人投資家がJDCとの間で匿名組合契約を締結することにより出資を行い、JDCはその資金を新人グラビアアイドルのDVD・写真集の制作の一部に当てます。個人投資家には、DVD・写真集の売上の中から出資者印税が支払われ、最終的な投資利回りは売上に応じて変動します。アイドルや芸能人といった「人」を対象とした証券化は、日本初の試みとなります。今回のプロジェクトは、新人グラビアアイドルを育成することに主眼をおいているため、グラビア雑誌や深夜番組へのプロモーションを積極的に行うとともに、彼女達が出演するCS番組を制作・放映し、認知度向上を図ります。投資家に対しては、利益分配以外にもサイン入り写真集のプレゼントやアイドルが出演するトークショーへのご招待等の各種特典を用意しています。

今回のファンド組成にあたっては、事前にオーディションを開催してアイドルの選定にあたり、将来性の見込まれるグラビアアイドル5名が投資対象として選ばれました。JDCは、匿名組合の営業者として、グラビアアイドルのDVD・写真集制作およびCSテレビ番組制作のプロデュースを行います。またDVDの販売は株式会社イーネット・フロンティア(本社:東京都港区、社長:佐々木平)、写真集の販売は株式会社九天社(本社:東京都中央区、社長:沖山克弘)が担当、出資金等の取扱いはジェット証券が行います。

CS番組は2003年10月から放映を開始しており、第1弾のDVD・写真集の発売時期は2004年4月頃を予定しています。

なお、当社の今後3年間の本事業計画におきましては、運用手数料としてファンド総額の3%を売上収益として期待しておりますが、今年度の売上計画には既に算入済みであり、平成16年3月期通期の業績予想値につきましては、変更ありません。

以上

<ファンドの概要(1タレント当たり)>

名称: 「新人グラビア☆アイドルファンド第1号」
目的及び事業の内容: 新人グラビアアイドルの出演するDVD・写真集制作およびCS番組制作、各種プロモーション活動
出資媒介総額: 金500万円
出資単位: 一口金5万円
出資媒介期間: 2003年12月15日から2004年1月31日まで(予定)
契約期間: 本匿名組合締結日から2006年3年31日まで(予定)

《本リリースに関するお問合せ》

株式会社ジャパン・デジタル・コンテンツ
企画部浜尾
〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-3-10
虎ノ門きよしビル2F
TEL:03-3434-5651 FAX: 03-3434-5709
E-mail:hamao@jdc.jp
http://www.jdc.jp

一方、金融情報会社ブルームバーグより本件に係る記事を以下、抜粋:

JDC:「新人グラビアアイドル投信」、人を証券化-個人向け来月販売 11月20日(ブルームバーグ):デジタルコンテンツ作成を支援するジャパン・デジタル・コンテンツ(JDC)は、新人グラビアアイドルを投資対象にした新型の投資信託を個人向けに売り出す。「アイドルといった人を証券化するのは日本で初めての試み」としている。

東証で19日発表した資料によると、この新型投信「新人グラビア☆アイドルファンド」はまず、個人投資家がJDCと匿名組合契約を結んで資金を拠出する。その資金をJDCが新人グラビアアイドルのDVD(デジタル多用途ディスク)や写真集の制作費の一部に充てる。DVDや写真集の売り上げから投資家に出資者印税が支払われ、最終的な投資利回りは売り上げに応じて変動する。

投資家は配当以外に写真集やアイドルのトークショー招待といった特典を受けられる。出資金は1口5万円、出資総額はアイドル1人あたり500万円。ファンドはネット証券のジェット証券と共同で組成し、出資金などは同証券が取り扱う。出資金の受付は12月15日から。

JDCはすでにファンド組成にあたりグラビアアイドル5人を選定した。選ばれたのは青山愛子、EIREI、神谷怜奈、島田早希、武市智子の各氏。この5人による今回のファンドの総額は2500万円になる。JDCはファンド総額の3%を運用手数料として受け取る。

  このファンドが成功すれば、新人グラビアアイドルファンドの第2号以降も考える。

金融業界でのこの商品に対する見方としては、①商品として興味はあるが、売上のブレなど見通しがたてにくいため、匿名組合にどれだけの資金が集まるか不明なので様子見、という慎重派と、②証券化という商品というよりは、”賭け事”に近く「ファンド」である。●●商法と同じ類ともいえなくもない、という懐疑派に分かれる。

私は懐疑派。まずこの商品の本質は”投資信託”ではなく、”匿名組合への出資、すなわちエクイティへの投資”であり、”小口出資”に他ならないからだ。また、マネジメントからあがる収益の透明性はどう確保されているのか、つまり、生身の人間から得る所謂”海のものとも山のものとも分からぬ”収益についてどう計算しているのか(予想リターンの根拠)が不透明であり、個人向けの投資信託なんて名前を使うからには、キャッシュ・フローも全て透明であるべきなのに、JDCが受け取る3%の運用手数料だけは明確になっている(募集資料などにはそれらしき数字は載っているのだろうが)。

現在日本で法的に認められている”投信”は信託型か会社型しかない。前者では一般に知られている委託会社(~投信とか、~アセット・マネジメントいう名前の会社)が信託銀行に預託された投資家の資産を運用して手数料をもらう。後者は今のところREIT(不動産投信)のような投資法人しか見当たらない。

金融商品に関わらず”初物”についての見方は数々あれど、このような”あたってなんぼのもの”は投資の中でも投機、つまり”やま”をあてに行くもの。アイドルが変な話業界からいなくなった場合には元本はとぶ・・・という意味からするといい言葉ではないが”博打”のようなもの。ただ予想できる匿名組合の出資者は・・・というと頭に浮かぶのは自称(失礼!)カメラマンの男性ファンなので、遊び感覚、「僕らが育てている」という感じなのかな?ある意味ファンディングをつけた一世風靡した”Asayan”的発想か(笑)。

しかし当局や業界団体から何も言われないのかな・・・。

<追記>ジェラシックパーク・インスティテュート・ツアー(国立代々木競技場オリンピックプラザ・特設会場)は匿名組合の出資者を公募で募った。この商品は金額といい、ほとんど私募に近い。

Posted by noriko at November 20, 2003 07:55 PM | トラックバック
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