October 23, 2003

不思議な購買力

時々最寄駅で買い物袋を2~3つ肩から下げている女性を何人か見かける。

かなりの高級ブランド袋を複数持っているから目立つ。彼女達が買ったブランドの洋服は一般的なOLの給与で買えるほど手ごろな値段ではない。かと言って”やまとなでしこ”の桜子みたいにカップラーメンで切り詰めた生活をしているようにも見えない。

昔、商社で働いていた頃、輸入生地などを扱っていたため、今でも洋服を見ると、生地の素材や品質、そして原価を考えてしまう。季節によるが1mあたり4~5,000円以上の生地を買うのはブランド力で商品を売ることができる顧客(アパレルメーカー)に限定される。だから値段が高いブランド=昔の顧客層、そのブランドの商品を買う人=顔が見えなかった最終顧客、ということになる。

洋服の原価というと、大体上代(スーツなどの定価)の10分の1が生地代だ。たとえば1m5,000円の生地でスーツを作る場合、デザインにもよるが女性なら2.5~3mぐらい必要になる。つまり12,500~15,000円ぐらいが生地代で、これにボタンなどのパーツ、ブランド商標代、縫製代、・・・・そして儲けを入れると最低でも125,000~150,000円になる。輸入の生地ももちろん値段は様々だが高級ブランドといわれるメーカーがイタリア製輸入生地で作っているスーツは上代が10万円前後、ものによっては40~50万円する。値段の差はいわずと知れたデザインを含むブランド代だ。(値段はあくまでも目安である)

話はそれるが、よほどの在庫処分でない限りセールでは最大30%まで値段を落として販売するというのが定番だ。上代からすれば破格値だが、以前の取引先の人に聞いたところ上代の30%までで売ることができれば儲けは出るらしい。輸入物、特にバッグとかなら10%まで値引きしても儲けが出る場合が少なくない。

うちの最寄駅で見かける女性が買い物しているブランドは数ある中でも価格が高めのゾーンのものが多い。自分でも余り品がいい趣味とは思わないが、ささっと計算してしまう。ざっとみて?十万買ってるの?!という感じである。

ここからは今の仕事柄考えること。パラサイトシングルだから、というだけでは済まない驚くべき購買力なのだ。ご両親が援助されているのか、はたまた収入を全て自分のものとして使っているからかはわからないが、何故あの若さ(20代と思われる)でそれだけの購買力を持っているのか不思議だ。お金は寂しがり屋であるところに集まる、なんていうが(笑) 最近伊勢丹が男性をターゲットにしたブランド展開をし、戦略があたっているようだ。(底を打ったとはいえ)不景気というのに皆、何故そんなに高い購買力を持っているのか、実に不思議である。

ちなみに消費する人がいないと企業は儲からないので、不思議であろうとなかろうと買い物する人(消費する人)がいるというのは経済的にはプラスだ。個人消費を刺激する、なんて政治家や専門家が口をそろえて言っているが、一部の個人は景気に左右されることなく消費をしているというのが現実だ。

Posted by noriko at October 23, 2003 12:11 AM | トラックバック
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