今回購入したのは築11年の中古マンションです。個人間の売買には消費税がかかりませんが、その分事前に知っておいた方がよい様々な問題点も浮彫りになってきました。専門用語についていけないと、その言葉の持つ意味の幅もわからず契約書に押印する羽目になります。
うちの場合、担当の不動産屋さんがしきりに「現状有姿」という言葉を連発していました。言葉の通り、"実際にあるがままの状態”なのですが、中古物件の売買の場合、現状有姿での引き渡しが多いです。ただし、ここで問題の「瑕疵担保責任」。瑕疵とは欠陥や欠点のことで、具体的には普通の注意では気付かない欠陥が売買後何ヶ月以内かに(通常2ヶ月が一般的なようです)見つかった場合、その修理を売主が負担する、というものです。
様々なHPを見てみると中には、4つの主な部分、つまり①雨漏り、②水漏れ、③給・配水管の異常、④木部腐食、について売主は瑕疵担保責任を問われる、と書いてあるものもあります。
一方で「売買の対象物に契約当時、気付かなかった欠陥があった場合、売主は自分に過失がなくても責任を負わなければならないということです。もう少し具体的に言うと、取引上、普通に要求される程度の品質、性能が欠けており、買主が注意していてもそのことに気が付かなかった場合、売主が法律上負担すべき責任のことで、民法に規定があります。」と書いてあるHPもあり、民法を調べてみました。
第570条 売買の目的物に隠れたる瑕疵ありたるときは第566条の規定を準用す但強制競売の場合は、この限りに在らず
隠れたる瑕疵=買主が通常要求される注意を払っても発見することができなかった欠陥、というわけで、争点になるのは中古マンションの場合、しかも個人間の売買の場合は、経過年数を経て什器など付帯設備はものによって修理、点検、交換の必要があるものが出てくるのは当然のことです。これを買主は「通常要求される注意を払っても」発見することができなかったならば、その修理を売主に対して請求できるのかどうか、という点です。
ところで瑕疵とは?という基本的な定義ですが、こちらのHPではこのように書かれています。
瑕疵のあることとは・・・
目的物が取引上,通常有すべきものとされる品質。 性質の欠陥。当事者が契約上予定した使用目的に対する適性の欠陥。 売主が特に保有すると保証した品質・性能に欠陥があり,目的物の使用価値又は交換価値を減少させるもの。
・・・以上につき売主は無過失責任=瑕疵のあることに売主の故意過失は問わない。
私達の主張は2点あり、
① 物件確認書で付帯設備などが現況有姿のままで含まれていることを売主、買主双方が確認。はじめに挙げた雨漏りなどはこれまでに発見されていない、ということを売主の方はチェック。ただし、その他、の項目で、「設備等に経年変化及び使用にともなう性能低下、キズ、汚れなどがあるので、修理、点検、または交換してお使いください」とあり、売主が責任を負わない部分は共用部分に限られている→要修理箇所は全て専用部分
② 重要事項説明書にも「瑕疵担保」の条項が含まれているが、そこには具体的に”什器は含まない”という文言が書かれておらず、しかもあらかじめ欠陥があったことを私達は知らされていない→契約書の文言どおりに受け取ると、修復を要求する権利があると読める
というわけで、売主の方に連絡をとったところ不動産屋さんを介するように言われ、不動産屋さんからは「今回ご指摘の箇所は瑕疵担保責任にはあたりません」との留守番電話を頂きました。現在、夫婦ともに平日の仕事中はこうした交渉を行う余裕がないため、書面でのやりとりに徹しており、現在は「何故私達は今回の要修理箇所を瑕疵担保と考えたか」について不動産屋さんに伝えて、先方のお返事を待っているところです。
新築マンションや、中古マンションでも業者から購入する場合はかなり買主は瑕疵担保責任を主張できるようですが、今回のように個人間の交渉の場合は相手の資力などが関わるため、一概にこうとは言えないのが現状のようです。
事を荒立てずに、修理費を持っていただきたいというのが、私達の望んでいることなのですが、その主張がおかしいのかどうかを客観的に聞くために東京都住宅局に電話をしてみました。ここでは民事(売主・買主間の交渉)と宅建法上の行政相談、と相談窓口が分かれます。はじめてのこと尽くしで知ったのは、宅建法上の規制として、業者である不動産屋さんは中古マンションの瑕疵(欠陥)について、買主に予め通知する義務がないそうです。これには正直驚きました。不動産業はあくまでも仲介するだけで、物件の質に関わる部分にはもし知っていたとしても告知責任がないということなので。あとは民事で売主の方に修理費を持っていただけるものかどうか、になります。
まだもう少しパワーが必要なようです・・・。
Posted by noriko at June 6, 2004 05:33 PM | トラックバックなかなか難しい問題ですね。東京都住宅局の方で明確な回答・助言を得られたでしょうか?
頭の体操のつもりで考えてみました。
民法上の瑕疵担保責任を問えるのは買主が瑕疵について善意(その時点で知らなかった)の場合であり、悪意(その時点で瑕疵を知っていた)の場合は問えないのは既にお調べになった通りです。
売主が個人でしかも中古物件であることから、「瑕疵担保責任はあっても中古のため色々な欠陥が出て来るのは当然であり、そんなものは可能な限り負担したくない。こっちは業者じゃないんだから。」という思いが初めからあったかどうかはわかりませんが、「設備等に経年変化及び使用にともなう性能低下、キズ、汚れなどがあるので、修理、点検、または交換してお使いください」という条項で免責にしたいと思っているのではないでしょうか?
この条項はかなり広めに書かれているので、もしかしたら、これは設備についてはすべて瑕疵担保責任を問われないようにするためのもの、すなわち「買主は設備の中には修理が必要なものも含まれているのを予め知っていた、すなわち売買契約時に瑕疵について買主は悪意なのだから、売主は責任を問われない。」とするためのものだと主張するでしょう。
一方でこのような広い規程では瑕疵担保責任から逃げているとも言えますし、そもそもこれらの設備が修理が必要なことを売主は知っていたはずだと思います。であれば、売買契約前に一言「自分達で気付いている設備の欠陥としてこういうものがあります。」と説明しておくべきだと考えます。それが誠意ある態度だと思うのです。それらが修理が必要であることを念頭において、売買価格の妥当性を売主は考えるのですから。
民法570条は瑕疵担保責任ですが、民法の第1条第2項で「権利の行使及び義務の履行は信義に従い、誠実にこれをなすことを要す」とあり、今回の売主の対応は大袈裟かもしれませんが、信義誠実の原則に触れている気がします。
一方で、マンション全体の値段の中で今回の設備が占める値段がどの程度かという点から考えると、売主としては「あれはオマケみたいなものです。価格にも入っていませんよ。」と言うかもしれません(これに対しては「欠陥があって使えないものなら、無い方がまし。むしろ撤去費用がかかる分だけ買主が損」と反論?)
相手が業者なら信頼や評判を大事にするために、誠意ある対応をしてくれるかもしれませんが、個人だと逃げてしまうでしょう。
まとまりのない話で申し訳ないですが、①設備が売買価格にどの程度反映されているか話し合ったか?、②修理の必要な設備について明示的に事前に説明があったか(他の設備について説明があったのに、今回の4箇所について説明がなかったとしたら、買主の善意を強く主張出来ると思います)?あるいは買主から質問したか?を思い出された上で交渉されたら如何でしょうか?
かなり基本的な設備なので「引越ししてすぐ使えないのは困ります。そちらは引越しするから修理されなかったんでしょ?一言説明しておいてもらえれば、私たちも気分良く住めたのに」と言って、半額でも負担してもらえれば良いですね。
勝手なコメントですみません。
先程のコメント一箇所訂正です。
「それらが修理が必要であることを念頭において、売買価格の妥当性を売主は考えるのですから。」
ここは「売主」ではなく「買主」でした。
京葉エースさん、ご無沙汰です。お元気ですか?
この件についてはまず東京都住宅局の嘱託弁護士の先生に伺ったところ、①本件は瑕疵担保とみなすかどうかは微妙、②ただし、備え付けの空調を売買目的物=マンションと同一とみなすことも可能、③②の場合とは別に、目的を果たすために付帯設備として着いているのだから、そうでないものは売主に修理を請求することも可能、とのことでした。1日で結果がでる簡易裁判もありますが、裁判費用の方が高くつくこと、売主の方とは話し合いで解決したいこと(もめたくない)があり、昨夜、不動産会社まで出向きました。その顛末については別の記事で書きますが、本件について私達は瑕疵担保責任として売主に請求し続けるのではなく、売主の誠意を見せて欲しいという話し合いの場に持ち込むことにしました。中古マンションには色々と難しい点があるんだということは身をもって勉強しましたね。
Posted by: のりこ at June 13, 2004 11:09 AM




