January 23, 2005

伝統芸能講座「歌舞伎のひいき」

夫が応募した国立劇場の伝統芸能講座「歌舞伎」に当選したので、今日は江戸関連の研究をされている法政大学教授、田中優子さんを講師とした「浮世柄比翼稲妻」の「吉原仲之町の場」についての講演に参加しました。

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田中さんの講演の主題は「歌舞伎のひいき」。つまり、歌舞伎に来る贔屓筋、観客のみならず歌舞伎に関わる人々に焦点をあてたもので、はじめと最後は遊郭吉原と芝居の舞台空間、つまり作り上げた世界の類似点をあげていらっしゃいました。スライドの中には以前、渋谷の絵本屋で見たものが取り上げられたりして、絵で具体的にイメージを湧かせるわかりやすい内容です。
印象に残った点を幾つかあげると・・・。
①江戸時代初期の歌舞伎では、筋書や演出(役者の決定)は脚本家が決め、台詞そのものはリハーサルを通じて役者が練り上げて完成していた。
②旧暦11月1日(新暦でいうと12月中旬ぐらい)の顔見世興行に向け、「世界定め(せかいさだめ)」が行われ、趣向(しゅこう)が決められていく。「世界定め」はどのような筋の物語を興行で取り上げるのかを決めることで「趣向」とは役者が着る衣装や舞台のこと。
③市川團十郎の紋は「鞘当」の演目を通じて変化し今の三枡となった、という山東京伝の説が唱えられている。
④芝居小屋の前に酒樽や巻物、米俵を積みあげるのはお目出度い、ということで贔屓の役目だった。また贔屓はボランティアで芝居小屋の前での客引き(演目を宣伝)をやっていた。
⑤江戸時代の芝居見物は夜明け前に出発して芝居茶屋で幕開きまで時間を費やし、夜があけると芝居小屋で芝居を観劇していた。幕間毎に芝居茶屋へ引き上げ、女性たちはその度に着替えをして華やかな雰囲気だった。芝居は日没で終わっていた。
⑥観客の種類について式亭三馬が「ひいきの常連」、「芝居通」、「訳知り」、「役者気取り」、「桟敷をはる人」、「古実者(こじつしゃ)」、「昔びいき」など細かく分類。
⑦桜の季節になると吉原には桜の植え込みが運び込まれ、女性や子供も見物にやってきた。桜が散ると植え込みは運びだされた。つまり吉原そのものが芝居の空間のように作り上げられたものだった。実際、季節毎の年中行事があり、桜の季節と並んで吉原が人で賑わう仁和嘉(にわか)など。(廓の年中行事としてこちらのサイトに詳しく載ってますね。)

60名の定員と聞いていましたが会場には100名はいたのではないでしょうか?

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Posted by noriko at January 23, 2005 01:28 PM | トラックバック
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