話力総合研究所は年に2回合宿があります。今回は第4講座(対話編)を主に取り上げ、講義実習やパネル・ディスカッション、問題解決のための話し合いと作業などに取り組みました。
ところで日本文化特有なのかもしれませんが、英語本来の持つ意味を独特の解釈に変えてしまうことが多々あります。一例として、「パネル・ディスカッション」と「シンポジウム」は異なる会議形式ですが、最近この二つを混同している例が散見されます。著名な新聞社が開催するパネル・ディスカッションでも実際はシンポジウム形式だったりします。
ちなみに話力総合研究所で定義する両者の違いは以下の通りです。
パネル・ディスカッション
選ばれた数人の討議者(パネルメンバー)が与えられた議題について聴衆の前で討議をする。予定の約3分の2を経過したところまで一応討議を完了し、リーダーがその結果を聴衆全体に説明する。その後聴衆からの質問を受けこれについてパネルメンバーの一人から解答させるかあるいはメンバー相互の間で討議をさせることによって応答する。
シンポジウム
パネル・ディスカッションと同じ形式であるが、それと異なる点はパネルにあっては討論する者が特定の議題についてそれぞれの見解を述べまとめるが、シンポジウムでは討論者がそれぞれ独立の分野から議題に関する独自の見解や専門的意見をのべるものである。質問も個人に向ってなされ、解答も個別的になされる。ある内容を深めるときに向いた討議方式である。
(以上、出典:話力総合研究所 話力強化第四講座テキスト)
今回の合宿の最後に所長から指摘された点を元に両者の違いをもう一度考えてみました。
①パネル・ディスカッションの討議に参加する人たちの名称
実習では「パネリスト、コーディネーター、司会者」という名称を使っていましたが、所長はモデレーターあるいはファシリテーター、という言葉を使っていらっしゃいました。
②パネル・ディスカッションでは討議内容を収れんしていく
討議の議題によってはパネリストによってそれぞれ異なる意見、結論をもっています。パネリスト間で平行線をたどりそうな議題については、問題の焦点を最終的にある方向へもっていくように議論を導いていくのがモデレーターの役目なのに、実習の議論ではパネリストの主張がシンポジウムのように独立したもので終始一貫していました。
この2点について自分自身の認識もあやふやでしたので、早速本屋で4冊ほど会議についての本を読んだり、インターネットで調べたりしましたが今一つ確証のもてる文献が乏しいのが現状です。そこで夫が所属しているToastmastersのテキストを見てみると、さすが米国発の団体だけあってパネル・ディスカッションについてもしっかり載っていました。
①については「moderating the discussion」という言葉があるように、モデレーターという言葉が一般的に用いられるようです。夫に聞くとファシリテーターも最近使われるようになっているとのことでした。
②については討議の前段階としてパネル・ディスカッションをどのように進行させるのか、という目的の一つに「define the common goals and the purpose of the panel」とあります。具体的には「in narrowing the focus of a problem or question for discussion, you will find it helpful to first determine what kind of a problem it is according to ・・・」となっているように、要するに「討議をする前にテーマについてどのような問題意識や疑問点をもっているのかを絞り込んで」、「パネル(討議)の最終的に目指す着地点やその目的を明確にしていく」ことがパネル・ディスカッションでは求められる、といえると思います。そうした意味では確かに今回の実習ではそこまで議論が進まなかったことは否めず、所長が指摘されたとおりシンポジウムと大差のない結果になった、といえます。
この点についての自分の理解の方向が正しいかどうかは現在、確認中です。





