とうとう口上のある昼の部に来ました。さて、千秋楽の興行はいかに?!

まず、劇場入ってすぐの若鶴会受付のところで好江夫人がご贔屓筋の方とご挨拶されていました。長丁場の襲名を支えている方ですから、歌舞伎役者の妻というのはきっと私達が計り知ることのできないほど大変なお仕事なんだろうと思います。
率直な感想だけまとめておきます。
「猿若江戸の初櫓」
素人目に見ても勘太郎丈は上手いです。長い手足を生かして、きちっとした型の中に伸びやかさがある綺麗な安定した踊りでした。踊りが上手いのは父親譲りですかね?松緑丈、染五郎丈、右近丈、勘太郎丈、七之助丈、…今の歌舞伎界には若手で踊りが上手い役者が揃っていますね。
平家女護島「俊寛」
大河ドラマ「義経」を見た後だったのでふむふむと思いましたが、正直言って「俊寛」やりすぎです(苦笑)。これまでに何回観たことか。幸四郎丈は上手いのでしょうが、クライマックスのところは吉右衛門丈「俊寛」の方が哀愁がこもっていて好きだったなぁ…。魁春丈=千鳥ですね。筋書きにも確か8回ぐらい演っていると書いてありましたが。東蔵丈は何かにつけて上手いから、余り華のない平判官康頼役でもつい目が惹き付けられます。
口上
もうね、一瞬疲れで体調が悪いのかと思うぐらいはじめから勘三郎丈は目が腫れまくっていました。双眼鏡で見ると人相が変わっているんだもん。扇雀丈が17代目の亡くなった折の話から今も歌舞伎座で見守っているのではないかという話をしているとき、弥十郎丈が幼いころからの話をしているとき、などなど、頭を下げた姿勢のまましきりに涙をぬぐっていました。初日に泣きまくっていたという仁左衛門丈(今日は口上ではしっかりと源左衛門丈の襲名について語っていましたね)、そして勘太郎丈も泣いていましたね。勘三郎丈の声は涙でくぐもっているんだけど、「どうか、お見捨てなきようよろしくお願い申し上げます」と振り絞るように言うと観客席から割れんばかりの拍手、拍手。花粉症のせいか、口上でホロリときたのか、時折鼻をすする音が聞こえましたが目頭が熱くなる思いをした人が多かったのは確かだと思います。私だって「お見捨てなきようだって?!これからも頑張ってよ」と思ったんだから。
そのほか気付いたこととして…又五郎丈は白塗りせずに眉毛だけ書いていたこと(ドウランは塗っているのかしら?)、雀右衛門丈は下を見すぎで何を言っているか聞き取りにくかったこと(体調不良かと心配しました)、福助丈は確かにくにゃくにゃだったこと、などありましたがそれもご愛嬌。
一條大蔵譚
大河ドラマの蛭子さんが浮かんでくるのは私だけでしょうか??馬鹿殿(歌舞伎では阿呆というんですよね)からぶっ返りでキリリとした大蔵卿、そしてまた作り阿呆へ。勘三郎丈が得意とする世界ですね。私はこの演目を観るのははじめてだったのですが、過去の上演を観ているとこれは17代目、18代目だけが演じているまさに中村屋の演目ですね。昼の部がこれで終わり、夜の部の「盛綱陣屋」へ…と続くことを考えると3月の興行は昼の部を観てから夜の部を観る、という見方がよかった気がします。





