日経新聞主催のプラス1フォーラムに行ってきました。サブタイトルは「子供たちのために わたしたちが今できること」で、2つのセッションを軸に有識者の意見が述べられました。詳細は土曜のNikkeiプラス1に掲載されるそうです。
ネット犯罪の増加とともに、子供たちをいかに“有害”な情報から守るのか・・・というのが課題ですが、両セッションを通していえることを大きくまとめると以下の通り:
①インターネットの特性を考えた場合、情報を完全に遮断・隔離することは不可能であるとともに、必ずしも子供の教育上有益とはいえない。ただし、社会としての姿勢という意味からすると法整備などを整えることは言うまでもない。
②重要なのは、親・教師の言うことをよく聞くいい子に育てるのではなく、世の中を知ったいい大人に育てていくこと。有害な情報という定義そのものもミス・リーディング。ある情報をどのような状況で受けているのか(一人の状態か、他の人とその情報を共通している状態か、など)によって、情報から受ける害は中和される(対人ネットワーク説)。子供にとって重要なのは周囲とのコミュニケーションと物事に対する免疫力をつけること。
③つまるところ、ユーザーのメディア・リテラシーが問われるのだが、このメディア・リテラシーはZoningやFilteringではなく、最終的には子供たちの中でつくられていかなければ意味をなさない。
奈良県ではあの凄惨な誘拐殺人事件以降、大人はむやみに子供に声をかけてはいけない、という内容の条例が制定されたそうです。これは社会がどう対処するかという態度は示していますが、過剰反応ともいえます。人を支えるのは外から(社会の意思)と内から(自らの意思)の力双方であり、これらの力がいかにシンクロするかが、情報の隔離から免疫化へと結び付けていく鍵を握ると考えられます。
自殺サイトが話にのぼった際、反省をうながされました。話題の自殺サイトへ書き込みをしている人の大半はオフのときに出会っても多くは自殺をしないそうです。たまたま出会った人たちのシンクロ率が高い場合に集団自殺まで発展するため、自殺サイトはロシアン・ルーレットと言われています。あのサイトに書き込みをしている大半の自殺願望はフェイクであるという事実にも関わらず、ニュースを見聞きして「何てことだ」と思い込んでしまっていました。こうした現実を客観的に受け止め洞察する力がないから情報に振り回されるわけで、盲目的に「わが子を有害情報から隔離しないと・・・」となってしまうわけです。
世の中、色々な人がいるわけで、いつも付き合いを避けてばかりいることはできません。様々な情報が氾濫している現代では意図せず犯罪に関わる情報に遭遇する場合もあります。単にそうした事実を知るだけではなく、どうしたらそういう場面に遭遇した際に対処できるのかまで子供たちにコミットさせていくことによってしかリテラシー(使用能力)は培われない・・・実は大人が、親が、その事実を正しく認識する必要があるのです。
Posted by noriko at September 30, 2005 11:36 PM | トラックバック




