妊娠する前から機会があれば臍帯血を提供したいと思っていました。骨髄バンクについて何度も考えましたが、痛みに弱いことを考えるととドナーの体への負担がなく、しかも自然分娩である限り得ることのできる臍帯血を無駄にする手はないと考えるからです。
いよいよ臨月に入り、入院のタイミング(陣痛の間隔など)とともに臍帯血提供の同意書をもらったので早速読んでみました。提供を受ける方の状況を考えると安全面に細心の注意を払う必要があるので当然のことですが、ドナーに対する事前のチェック項目が結構あります。
例えば、現在の基準では母体が以下に該当すると臍帯血を提供できません。
①移植・輸血(自己血輸血を除く)を受けた場合
②不妊症の治療でリンパ球輪注療法を受けた場合
③マラリア、シャーガス病、アフリカトリパノゾーマ症、バベシア症、レーシュマニア症、原因不明の肝臓病などに罹ったことがある場合
④甲状腺疾患・血液疾患・自己免疫疾患など、慢性疾患を持っている場合
⑤肝炎ウイルスキャリアの場合
⑥1997年以前にヒト由来脳硬膜移植を受けた場合
⑦1994年以前にヒト由来成長ホルモンの投与を受けた場合
⑧出産前3年以内にマラリア流行地に3ヶ月以上居住、または予防薬を服用していた場合
助産師さんに聞かれたのは渡航歴。まぁ卒業後ずっと外資系の会社か海外出張のある会社にしか勤めたことないですからね。運がよかった(?)のは、ロンドン出張を断り続けたことかな。実はイギリスには行ったことがないのです。
⑨イギリスに1980~1996年に1日以上、1997~2004年に通算6ヶ月以上滞在した場合
⑩フランス、アイルランド、イタリア、オランダ、スペイン、ドイツ、ベルギー、ポルトガルに1980~2004年に通算6ヶ月以上滞在した場合
⑪オーストリア、ギリシャ、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ルクセンブルクに1980~2004年に通算5年以上滞在した場合。アイスランド、アルベニア、アンドラ、クロアチア、サンマリノ、スロバキア、スロベニア、セルビア・モンテネグロ、チェコ、バチカン、ハンガリー、ブルガリア、ポーランド、ボスニア・ヘルツェコビナ、マケドニア、マルタ、モナコ、ノルウェー、リヒテンシュタイン、ルーマニアに1980年以降に通算5年以上滞在した場合
⑫出産前1ヶ月以内に海外から帰国(入国)した場合
他は感染症関連でしょうか。
⑬出産前1年以内に、a)動物にかまれた後狂犬病ワクチン接種を受けた場合、b)マラリア流行地(高危険度)を旅行した場合、ピアスホールを他人と針を共有して開けた場合、いれずみ(タトゥ)をした場合、針刺し事故にあった場合、イラクに滞在(居住)した場合
⑭出産前6ヶ月以内に伝染性単核症に罹った場合
⑮出産前3ヶ月以内に破傷風、蛇毒、ジフテリア抗血清の接種を受けた場合
⑯出産前1ヶ月以内に細菌性急性腸炎様症状がある場合、リンゴ病に罹った場合、デング熱に罹った場合
⑰出産前3週間以内にはしか、風疹、おたふくかぜ、帯状疱疹、水痘に罹った場合
⑱出産前3日以内にインフルエンザ、感冒症など、それに伴う下痢のある場合
他にも多胎や赤ちゃんに奇形などの異常がある場合、妊娠合併症や異常分娩などがあっても提供できませんし、お産の進行状況次第では採取する時間的余裕がない場合もあります。
ざっとみてみると、結構上記の基準に該当する人っているんじゃないかな…というのが感想。該当せず提供できた場合でも、採取量や細胞数が足りなければ利用することはできません。また、金曜9時頃以降や土曜、祝祭日の前日に出産しても提供することができません。つまり、どれだけ提供希望者が増えても、実際に活用できる数は飛躍的には伸びないということ。先日亡くなった本田美奈子さんも臍帯血移植を受けていたと報じられていましたが、有効な治療手段として臍帯血を生かすためのシステムも改善の余地があるのではないでしょうか。
Posted by noriko at December 6, 2005 04:40 PM | トラックバック渡航歴まで聞かれるんですね!時期的に何か病が流行っていたとかそういうのでしょうか。
以前育児関係の企業さんとお仕事をしていたときに、この臍帯血のことを知ったのですが、その頃から考えると随分進歩してるのかな、と思いましたが、まだまだっぽいですね。
せめて時間的なものくらいはなんとかして欲しいなあ。
欧州、特に英国滞在の規制が厳しいのはBSE関連だったと思います。輸血でもHIVや肝炎ウィルスなど問題山積ですが、移植が必要な患者さんにとって造血機能に欠陥があってはならない問題ですからね。
でも臍帯血ってずっと前からあって普及しているとばかり思っていましたが、なかなか難しい問題が多いんだなと感じました。





