October 01, 2003
[日経ネット時評] 上昇気流に乗れずに苦しむ米国オンライン広告の行方 [情報技術]
2003/10/1付 小池良次氏の記事の趣旨は
米国オンライン広告業界は復活の兆しを見せているが,既存広告と差別化をはかる評価方法が定まらないという課題が顕在化している.
その中で一部の試みとしてコンテンツを読む邪魔をしない広告の登場や, 検索と連動した広告が急伸するといった動きがあるが,本格的な広告メディアとして成長する糸口は見つかっていない.
というものだ.ただ論理構成がやや判然としない.
というのは,紹介されている論拠が足りないためつながらず,また表面的には矛盾した主張をしているようにみえるからだ.
まず論拠として紹介されているのは,
業界団体、IAB(Interactive Advertising Bureau)によれば、2003年第1四半期の米国オンライン広告は16億9200万ドルで、(中略)過去2年間で初めて2四半期続けて上昇を記録した。
米ヤフーはオンライン広告の好調を反映し、今年度の売り上げ予想を最大37%上方修正した。
と米国オンライン広告の売上が上昇している事実.とはいえ,
たとえば、オンライン広告のトップ、ペプシコーラは全体で11億ドルの広告予算を持っているにもかかわらず、オンライン広告の占める割合は、全体の3.4%に過ぎない。同様に、プロクター&ギャンブル社の全広告予算は26億7000万ドルで、オンライン広告の割合は1%をはるかに下回っている。
と既存広告よりはるかに少ない予算しか投じられてない事実.
もちろん、オンライン広告のトップは一般バナー広告だが、2位のコンテンツ・ベース・アドは急速に伸びている。
と検索と連動した広告が目立って伸びている事実が述べられている.
ただ,検索連動型広告のオンライン広告市場全体の中での大きさが示されていないため,この動きがどの程度インパクトのある動きと評価してよいのか判断できない.
インパクトが小さいのだとしたら,この文脈で紹介する意味がないし,逆に大きいのだとしたら,逆の結論を導き出している以下の結びまでには大きな飛躍があるといわざるを得ない.
しかし、本格的な広告メディアとして成長する糸口が見つからず、模索が続いている。
以下の私見,感覚的なので必ずしも論拠を示せていないのだが,
既存メディアは基本的には受身.広告も大量露出で認知獲得を目指す形が主にならざるを得ない.
だが,Webメディアは少なくとも成功してる事例は主に問題解決ツールとしてだ.すなわち,見る人が能動的に,製品の機能,会社や店への交通手段,さらにはより高度な問題の解決手段をもとめてアクセスする.
オンライン広告マーケットは,十分小さいうちは既存広告とのアナロジで「広告」として扱わざるを得ないかも知れないが,特徴的に残っていくのは「問題解決ツール」仲介マーケットというまったく別の市場なのではないかと思いはじめている.
つまり,誘導先だけではなくて,問題解決した人からもいずれ何らかの対価がとれるのではないかと.
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