October 20, 2003

[日経ネット時評] 通信政策と三権――市場の動きに揺れる政府・国会・裁判所 [情報技術]

2003/10/20付 中村伊知哉氏の記事の論旨は

電話からインターネットへの制度の枠組みの変化に伴い,
通信政策と立法,行政,司法との関係はかわるべきだ

というもの.すでに実際に変わり始めている具体例としては

・電話の接続料に関する提訴によって通信行政の適否
が司法の判断を仰ぐ構図ができた点

今後変わるべき点として,

・光ファイバの見方(インフラなのかビジネスなのか)等の
原則論は,行政に頼り切らず,立法の場でこそ議論すべき
・通信を利用した有線放送に関して,通信行政と文化庁の
解釈が矛盾している.行政で見解一致がとれないなら,
司法の判断を仰ぐべきかもしれない

などとわかりやすく紹介された見通しのいいサーベイとなっている.

・今の時期の通信政策は,原則論が占める割合
が高く立法による議論が求められている
・規制緩和により行政指導が減る分,司法の役割
が期待されていく

というのには全く同意見である.というより議論がわかれるそうな部分については筆者はあえて言及していないので意見が分かれ様もないが:-)



ちなみに筆者の議論に従うと,私はインフラ派だ.

すなわち,
・光ファイバ投資は現状複数事業者の競争環境下
でなされている.廉価開放政策は光ファイバ投資
意欲を損ないかねないため慎重であるべき.
・原価ベースで算定される接続料は,電話トラヒック
激減にともない値上げされるべき.

理由をひとことだけ簡単に書くと,
通信インフラのコスト転嫁がうまくまわらない今のような過当競争が続くと,日本の通信インフラでもカリフォルニア大停電のようなインフラ崩壊の事態が不可避だと危惧するためだ.

あと全く知らなかったので純粋に驚いたのは,「電気通信役務利用放送法の有線放送事業者は著作権法上の放送事業者ではないと」文化庁が解釈しているという事実だ.

簡単に説明しておくと,

テレビ番組などは著作権処理が「放送事業者」など当初想定されているメディア向けにしかおこなわれていないため,「放送事業者」もどきの人が番組を再利用して放送しようとすると,調整が大変なのである.

調整しなきゃいけない相手は,例えば番組のBGM音楽の著作権者や出演者などだ.
上でいってる有線放送事業者は,具体的には YahooBB!やKDDIなどの通信事業者が行なおうとしている通信系の放送事業のことである.

彼ら通信系の放送事業者は,総務省的には「放送事業者」だが,文化庁的というか著作権法的には「放送事業者」じゃないらしい.

こうして書いてるだけでクラクラしてくる:-p

Posted by pshige at October 20, 2003 11:59 PM | トラックバック (0)
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