November 12, 2003
[日経ネット時評] 戦うパパ・ママ電話会社と次世代ブロードバンド政策 [情報技術]
2003/11/12付 小池良次氏の記事に関して.
米国の田舎の地域電話会社たちの試みが,米国の今後のブロードバンド政策に強い影響を与えそうで興味深い.
規制緩和の必要性が大手通信会社のみから唱えられても何故か説得力をもたないが,それが地域のいわゆる「パパ・ママ電話会社」からも出てくるとなると重みを増すからだ.
記事によると,ざっと以下のようなことだそうだ.
米国の田舎の地域電話会社ではVoIP/DSL/映像配信のトリプルプレーモデルがブームになろうとしている.田舎には他に通信会社もないのでそのセット提供は全く違和感のない.ユニバーサル基金の補助を受け,近代的な通信設備をそろえている.
そのトリプルプレーモデルに問題が起きてはじめていて,一部の州でVoIPを電話として,映像配信を放送として規制しようという動きが出ている.
VoIPが電話だとなると規制を受け,他のデータサービスと別の経理区分で処理するなど制約が大きくなり,逆に電話ではないとなるとユニバーサル基金の助成が受けられなくなる,というジレンマがある.
また映像配信を行なうにはケーブルテレビの免許が必要で報告書作りに膨大な事務作業量が費やされる上独占的事業者にはさらに多くの義務が課せられる.
RLECも黙ってはいなくて,例えば映像配信だと無免許で行えるVideoOnDemandでサービスを始め,定着した頃に地域の自治体と組んで,市民サービス続行をカードに州政府との交渉を有利にすすめることを狙うなど知恵をしぼってるようだ.
筆者は,以下のように結んでいる.
いま米国の田舎で展開されている規制当局とパパ・ママ電話会社の戦いが、今後のブロードバンド政策を考える上で重要な示唆を与えておくれる。数年後に、今度はワシントンを舞台に大手通信事業者を巻き込んだ政策論として注目を集めると専門家は見ているからだ。それは放送や通信と言った垣根規制を前提とする現在の法律をもう一度見直すことになるだろう。時代は、インフラベースの規制からサービスベースの規制へと向かっている。
こうした必要性はパパ・ママ電話会社が存在しない日本でも全く事情は同じだ.
規制の見直しが必要なのに,日本の場合,大手通信会社,放送局,総務省と関係者が少数なので,監督官庁が強くなりすぎ,規制政策の矛盾の解消が後回しにされがちだ.その結果,新サービスがなかなか実現できないという形で,サービス利用者の利害に反する規制が温存されてしまう.(例えばこれ)
日本が独自に政策を立案できるのか,またかつてのように米国の政策をしばらく遅れてマネするだけになるのか,注目が必要だ.
Posted by pshige at November 12, 2003 11:59 PM | トラックバック (0)メールアドレスは管理者にのみ通知されます.



