December 08, 2003

「Blogはキャズムを超えられるか」って? [情報技術]

あちこちのBlogで懐かしい言葉がしきりに言及されている.(GoodpicNDO::WeblogMasa Blogいい感じ)

いわく 「Blogはキャズムを超えられるか」

キャズム」は懐かしくていいんだけど,キャズム理論は,技術そのものではなく,具体的な製品/サービスを想定しない限りはそもそも論じれないはず.論じるとしたらこうだ.

「Blog技術をもちいた○○サービスはキャズムを超えられるか」

# 具体的にキャズムを超える製品/サービスが存在したときに,
# 簡単のために「技術がキャズムを超えた」と称するのはいいのかもしれないが.

Quoted from Goodpic
”ブログ系”なる曖昧なモノがキャズムを越えるわけでは無いということです。

との言及もあるので,あるいは私のミスリードなのかなぁとも思う.ただ全体を通して読むと,やはり "ブログ系" の今後の成功要因を一括りにして語ってるように読めてしまう.

Blogまわりの製品/サービスは,いま目に付くものをあげただけで,

  • MovableTypeのようなソフトウェアパッケージ提供

  • Typepad のような ASPサービスの提供

  • cocolog のような ISPサービスの付加価値化. ( これは 提携ASPからみたらチャネルの一つでもあるかな)

  • またBlogに対する周辺サービス(ping,bookmark,rss reader etc)

などがある.

またあまり詳しくはないけど,同じ技術の違う切り口での提供も今後はあるだろうか.

  • 企業内/企業グループ内 向けのKMツールの提供etc

さらに,上記の各々の製品/サービスカテゴリーに関しても,標的市場と提供価値を定めるごとに攻め方はいくらでもかわっていく.



私自身「キャズム」は出版されてしばらくしたころの原書以来ごぶさたで,10年遅れの邦訳も積読のままの弱い信奉者にすぎないので,変なこといってたら是非指摘していただきたいのだが,

キャズムは,ハイテク製品を少数の進歩派 初期ユーザに導入した後に,実利主義者に普及させる際におちいる溝のことだ.進歩派のニーズと実利主義者のニーズには大きなずれがあって,進歩派の期待を裏切らずに,同時に,実利主義者に実績を示し安心して導入させる必要がある.

この時期にキャズムがあることを自覚した上で,実利主義者の中から注意深く適切に絞った標的市場を選定する必要性を論じていたもの.あとはその標的市場に対してマーケティングの4P(Product/Price/Place/Promotion)を策定/実行する, といった話だったように理解している.4Pについてもいろいろな工夫が書かれていた覚えがあるが詳細は覚えていない.

ここでいいたいことは冒頭の話,すなわち,技術でとめるのではなしに具体的な製品/サービスにまで議論をブレイクダウンしないことには,他の理論はともかく,キャズム理論については語れない,ということだけなので紹介はこの程度で十分だろうか.



私自身今見えているBlogそのものにいまいち商機を見出せていなくて,Blogで実現されたもっと先のコラボレーション環境の中にこそ商機があるのかと思ってる口なので,気のきいたことのひとつもいえない.ただ,せっかくなので積読してきた邦訳版「キャズム」の表紙折り返しに記されたツールを紹介して日和っておこう.皆さんが挙げているテクノロジーライフサイクル以上に,簡潔ながら私には非常に有効な分析ツールだと思うので:-p

Crossing the Chasm / キャズム / ハイテクをブレイクさせる「超」マーケティング理論

皆さんにも是非積読しておくことをおすすめする話題の書「キャズム」:-)


Quoted from 「キャズム

あなたの製品(サービス)が "キャズム"を超えられるかどうかのテスト

あなたの製品(サービス)は 【 1 】 で問題を抱えている
【 2 】 向けの,
【 3 】 の製品(サービス)であり
【 4 】 することができる.
そして 【 5 】 とは違って,
この製品(サービス)には, 【 6 】 が備わっている.

【1】 ~ 【6】 はそれぞれ,
【1】 市場で流通している「代替手段」,
【2】 橋頭堡となるターゲット・カスタマー,
【3】 この製品(サービス)のカテゴリー,
【4】 この製品(サービス)が解決できること,
【5】 対抗製品,
【6】 製品環境全体の機能

例は下をご覧下さい.

シリコングラフィックス

これは,
「撮影した映画フィルムの編集」 で問題を抱えている
「フィルム編集技術者」 向けの
「デジタル編集システム」 の製品であり,
「映像をいかようにも作り出す」 ことができる.
そして 「サン,IBMなどのワークステーション」 とは違って,
この製品には,「他のフィルム編集機能と接続するためのインターフェース」 が備わっている.


例をみて「当たり前じゃん」というのは簡単だけど,実際に目の前にあるブレイクする前の製品/サービスについてこの空白を適切に埋める,ないしは埋める項目を想定して製品/サービスを更新していくのは相当手ごわい作業だ.着実にこの作業がこなせるならヒットメーカーになれる!!

このツールに沿って,識者の皆様が個々のblog系製品サービスを分析すれば,皆さんの志向性や個々の製品サービス分野のSWOTが浮き彫りになろう.Blog技術そのものに対するコンニャク問答ではなく,これこそ私が是非きかせていただきたい話だ.

Posted by pshige at December 8, 2003 11:46 PM | トラックバック (5)
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