January 06, 2004

つながった先にあるもの [情報技術]

インターネットとその上で使われる各種ツールによって,どんどん世界は密につながり,相対的距離は狭まっていくだろう.つながった先になにがあるのかに今思いを馳せている.

具体的には,世界の距離が狭まっていく先に来るかも知れない圧倒的な断絶への不安だ.

きっかけは アルバート・ラズロ・バラバシ著「新ネットワーク思考」を読んで以来もっていた漠然とした不安が,先月「梅田望夫・英語で読むITトレンド」のSocial Networkingに関する記事と「B-log Cabin TP」の Weblog の Six Degrees に関する記事を立て続けに読んでほんの少し具体的に見えてきた気がしたからだ.

「新ネットワーク思考」の第十二章「断絶化するWeb」で提示される問題意識は,ウェブがいくつかの大陸に分裂し,その中でもいくつかのコミュニティーに分かれているこ事実,こうしたウェブの構造が民主主義等に影響を与えかねないという懸念だ.

ここでいってる構造は例えば下記のような性質や事実に規定されている.

・Webリンクは一方向リンクであること
・対立する立場のサイトにリンクする人は少ない

「B-log Cabin TP」を読んで急に上の話を思い出したのだが,この記事に救われた気がしたのは,

  • TrackBackの双方向リンクは上記で書かれている Web リンクの一方向リンク性は解消し得ること
  • 対立するサイトにリンクを張らないのが,リンクを一方向にしか張れないこと,リンク先を利することにのみ起因するのだとしたら,こちらも解消される余地があること

もちろんまだ残る問題として, そもそも相手の主張を根本的にみとめようとしない立場の場合は,意識的であれ無意識であれ,2番目の問題は解消されないことだ.

次に梅田氏の記事は,Social Networking の成否についてもちろんビジネスの観点から語っているのだが,成功した際に起こることを考えると,こうしたマッチングビジネスは属性の似たもの同士をより強く結びつけこそすれ,全く世界の違う人々同士を結ぶようなことは起きにくい.悪くすると,ネットワークの断片化を助長するかもしれない.

もちろんこれにも違った考えがあって,マッチングによってよりいいアイディアがもたらされ,違うツールによって断絶が解消されるかも知れないともいえる.それはよくわからない.

いろいろ考えた末,私はとりあえず楽観視することにした.(楽観視していいのかに半月悩んでたのだけど)大雑把には以下のような希望から.

  1. 人的ネットワーキングをもちいた解決策の醸成
  2. リンクのメッシュ化の徹底に断絶点の明確化

1つめは上でも書いたこと.2つめはよくいわれる「徹底して論理的に考え詰めると,その先に直感が宿る」とかいうののアナロジーでもあるのだけど,似た趣向のコミュニティーが結び付けを強め,コミュニティー間の差異が顕在化され圧倒的に意識化されれば,逆に事態は改善されるのではないかというやけくそにも似た楽観視だ.

私は悲観的に考えすぎなのだろうか,それとも楽観的すぎなのだろうか.

Posted by pshige at January 6, 2004 11:56 PM | トラックバック (0)
コメント

なるほど、と思える記述が多いですね。良く考えて居られるのが伝わりました。

個人が立ち上げている Weblog だと、なかなか対立する意見同士の TB は相手の立場を考えてしまって打ちにくいもので、どうしても同様の嗜好を持つ人同士が結ばれ、ある意味でコミュニティ間が断絶される部分が出てくるところもあると思います。

ただ、本日 CNET Japan が全ての記事の TB 対応を始めた様に、中立性を持った News Site とか、Portal とか、大きな community の掲示板的なものが TB を受け入れたり、Weblog 型に変わって行くと、そういう場所には複数のコミュニティが集まり、意見交換をする場所になって、別のコミュニティリンクを発見しやすい場所になる様な気がします。BlogPeople や MyBlog の様な新着記事の Pinger Site も、そういう役割を果たすのでしょう。

こうした Hub 的な場所が、うまく個人の Weblog の間にはさまって行く事で、コミュニティが混ざり合う場、が形成されると思うので、きっと楽観的で良いのでは...というのが私の楽観的な考え方です。

Posted by: minami at January 7, 2004 12:42 AM

minamiさん,コメントありがとうございます.

確かにblog周辺のいろいろな試みが次々にさまざまな場を実現させてますね.
カバー範囲の広い Pingサイトたち,さらにPingサイトを束ねて検索機能を加えた bulkfeeds, FeedBackなどの試みが短期間にどんどん実現する様には関心させられます.

場が整うこととその場が有効に使われることとは別の話で,結局コミュニティ間がつながるかどうかは一人一人のメンタリティ次第なのだけど,minamiさんのコメントも読ませていただき,むしろ不安がり続けるよりは,場を整える知恵と努力に振り向けたい気にはさせられました.

Posted by: pshige at January 8, 2004 12:30 AM

インターネットと民主主義の関係について興味をお持ちなら、Cass Sunsteinの「インターネットは民主主義の敵か」(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4620316601/)を読むことをお勧めします。インターネット上での自由な言論が必ずしも民主主義にとって良いことではないことを米国の憲法学者が論じた本です。

Posted by: ced at January 16, 2004 07:55 AM

cedさん,コメントありがとうございます.

「民主主義を死守せねば」というほど,手続きが煩雑な民主主義そのものには思い入れはないのだけど,きっとさらに悲壮な将来を描いてるんでしょうねぇ.ぜひ拝見させていただきます.

Posted by: pshige at January 19, 2004 11:09 PM
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